ディアゴスティーニの「自衛隊DVDコレクション」第9巻は第一空挺団50年の物語

ディアゴスティーニの「自衛隊DVDコレクション」の第8巻と第9巻が届いた。
第8巻は「真実のイージス “最強の盾”を支える男達」。
WACの2005年の作品で、イージス艦「こんごう」の艦内に初めてテレビカメラが入って密着取材を行ってる。
そして第9巻は「落下傘の絆 第1空挺団創立50周年」。
創立50周年?って思ったら2008年の作品だった。
てゆかオレこれ昔に見た覚えがある。
ちなみに、オレの中で「レンジャー」のイメージは「野生の証明」の松方弘樹だ。
角刈りの角度がスゴい二等陸佐だった。

本作は第一空挺団50年の歴史を紡いだ作品だ。
始まりは1954年にまでさかのぼるから、記録フィルムも当然白黒フィルムになる。
1954年に福井県の香椎アメリカ軍キャンプで最初の隊員たちが訓練をはじめ、同年20名が初降下。
そして、1955年には習志野での訓練が開始される。
習志野のシンボル的な降下塔ができたのは1958年。
訓練施設が整っていく様子も記録フィルムから見て取れる。
そして1958年に日本唯一の空挺団「第一空挺団」が編成される。

「空挺」って言葉は日本陸軍の造語で、主力部隊から先んじて展開することを意味する「挺進」と「空中輸送」が合わさったものだ。
そして降下には2つの種類ある。
1つは「空挺降下」。
敵の後方に大部隊で落下傘降下し、正面の味方部隊と協同して敵を挟撃する。
「用意、用意、用意、降下、降下、降下」の号令とともに、輸送機から空挺隊員たちが次々と飛び出してくる。
次々と大空で開く円い落下傘は美しいもんだ。
そしてもう1つは「自由降下」。
こっちは敵地の奥深くに潜入し、敵を攪乱妨害することが目的になる。
高い高度から自由落下で接近し、地上近くで落下傘を開いて潜入する。
使用する落下傘は、滑空性能に優れた長方形のスポーツタイプ。
そう、まさに「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」の世界だ。

本作では空挺レンジャー教育課程についても触れられてる。
訓練終了と同時に、仲間と拳をぶつけながら大の大人が泣いてる。
それだけ厳しい訓練だったんだろう、うれしいんだろう。
ホントに頭が下がる。
そんな男たちの姿を見て、涙腺が激しく弱えオレも思わず便乗して泣いちまった。


レンジャーき章はのデザインは月桂樹(=勝者の証)を抱いたダイヤモンド(=しっかり磨かねえと輝きが出ない)。

「隔週刊自衛隊DVDコレクション」第8巻でブルーインパルス3代の歴史を振り返る。

ディアゴスティーニの「隔週刊自衛隊DVDコレクション」の第8巻は、ブルーインパルスの歴史を綴るDVDが添付されていた。
バナプルの「Blue is Blue The 50 years」。
創設、発展、飛翔。
2010年の作品だが、3代に渡る記録はブルーインパルスの歴史を知るのにいいDVDだと思う。
オレは発売された当時、エースコンバット好きな仲間と酒を交わしながら見た記憶がある。

戦前の日本は世界有数の航空立国だった。
紫電で知られる川崎飛行機(現在は新明和工業)、隼で知られる中島飛行機(現在はSUBARU)、零戦で知られる三菱航空機(戦前に三菱重工業と合併、現在はMRJ開発のために再び分社化)など優秀なメーカーが優秀な飛行機を作り、それを優秀なパイロットが飛ばしてた。
だが敗戦を迎えた日本は飛ぶことを禁じられ、飛行機はすべてスクラップになった。

この初めてDVDを見た時、1950年代にブルーインパルスがあったことに驚いた。
1958年10月19日、浜松基地開庁記念日の日。
3機編隊、ジェット機による15分の日本初のアクロバット飛行を経て、公式にアプロバットチームが創設された。
当時の名前は「第4航空団第21飛行隊戦技研究班」、そしてニックネームが「ブルーインパルス」。
ブルーは最初第21飛行隊の一部の班だったが、現在のT-4機体を採用した時に広報専門の独立部隊「第4航空団第11飛行隊」になった。

ブルーインパルスの機体は3回変わってる。
初代機体であるF-86Fは、アメリカから供与された当時の主力戦闘機だ。
「86ブルー」と呼ばれた機体は計器も反応が鈍かった。
よくそんな時代の飛行機でアクロバット飛行ができたなと思うと感心する。
DVDでは東京オリンピックで5色のスモークで五輪マークを描いたパイロットもインタビューに応えてる。
本番直前までうまくできなかったのは有名な話だ。
理由までは知らなかったんだが、練習は全機白のスモークを使ってたため位置関係が掴めなかったそうだ。
5色のカラースモークが完成したのは本番直前だったらしい。

2代目は国産練習機T-2。
オレ的にはブルーインパルスと言えばT-2ブルーの印象が強い。
航空立国の復活を目指して作られた日本初の国産超音速航空機だ。
製造は三菱重工業。
オレはT-2ブルーが一番好きだ。
離陸の際に炎を吹き出しながら上昇する戦闘機は珍しいし、このT-2ブルーが飛んだ14年はホントにいろいろあった。
T-2ブルーには不幸な歴史がある。
浜松基地航空祭の展示飛行における墜落事故。
その悲しい事故もこのDVDでは触れている。
「下向き空中開花」の演目の最中、4番機が墜落炎上しパイロット1名が殉職した。
事故の原因の1つには、降下状態から次の動きに移る隊長機のブレイクコールの遅れが指摘されたようだが、数秒が生死を分ける世界なんだなって思った。
この事故が原因で「下向き空中開花」の演目は削除された。
確かに4番機は難しい。
飛行機乗りは危ないと思った時は上に逃げる。
だがそこは1番機がいる。
下向き空中開花もの演目中も前には1番機、そして両サイドは5番機6番機に挟まれてる。
あの空を駆ける演技は、本当にパイロットの卓越した技術の上に成り立ってんだなって思う。

現在のブルーインパルスは3代目、川崎重工業の亜音速ジェット機「T-4」だ。
丸みを帯びた機体からドルフィンとも呼ばれてる。
初めて見た時、「お前太った?」って思った。
東日本大震災で松島基地に津波が押し寄せたと聞いて、オレはニュースを見ながら同僚に「ブルーは大丈夫なのか?」って叫んだ。
実際、松島基地じゃF-2は流されてる。
ブルーインパルスはその日、九州新幹線全線開通記念の展示飛行のために福岡県の芦屋基地にいたそうだ。
ブルーも流されていたら、もしかするとブルーの歴史に空白の期間ができたかも知れねえ。

ブルーインパルスのパイロット、正確にはパイロットへの切符を手にしながらのパイロットになれなかった男の物語として「空飛ぶ広報官」って小説がある。
テレビでドラマ化もされたが、その最終話でも震災時の松島基地の話が取り上げられてた。
オレは基地司令とテレビ記者の次の会話のやりとりに目頭が熱くなった。

「当時の基地指令が人命優先を即断して避難指示を出したからこそ、松島基地は勤務中の隊員に一人の犠牲者も出さずに済んだのです」
「松島基地はその後、無事だった隊員を全投入して災害救助活動に乗り出しました」

「松島基地も被災しているのに、ですか」

「そこに気づいてくださる方は稀です」

「空飛ぶ広報室」 より

基地が津波で冠水するという事態に遭遇したっつーのに、彼らは自分たちを被災者と見ないしていない。
この瞬間、オレは涙で前が見えなくなった。
鼻水も出た。
オレも阪神淡路大震災じゃ自衛官の人に世話になったが、この国を守ってくれてる自衛官には本当にアタマが下がる。
いつか松島基地でブルーインパルスを見てみたい。


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ちなみにオレは航空自衛隊下部候補生試験を受けて落ちた。

「隔週刊自衛隊コレクション」の第7巻は潜水艦乗り・サブマリナーたちの成長の物語だった。

ディアゴスティーニから「隔週刊自衛隊DVDコレクション」の第7巻と第8巻が届いた。
第7巻は潜水艦の教育訓練隊を扱った「海上自衛隊潜水艦部隊」、第8巻はブルーインパルスの歴史を綴った「Blue is Blue The 50 years」だ。
オレは船がニガテなんで、海上自衛隊についての知識はあんまりねえ。
ニガテな理由はアレだ、すぐ船酔いすんだ。
だが、潜水艦だけは興味があって、さっそくDVDを見てみることにした。

潜水艦に興味がある理由、それは有川浩の「自衛隊3部作」の中で「海の底」が一番好きだからだ。
陸上自衛隊を扱った「塩の街」、海上自衛隊を扱った「海の底」、そして航空自衛隊を扱った「空の中」。
その中でオレは「海の底」が一番好きだ。
理由は一番自衛官が主役の作品だからってのと、3部作の中では現実的に発生しうる物語だからだ。
桜祭りで一般開放されてた横須賀の米軍基地に、突如海からザリガニみたいな巨大生物が現れて人々を襲い補食する。
そんな中、停泊していたおやしお型潜水艦「きりしお」に逃げ込んだ2人の潜水艦乗りである自衛官と、彼らの艦長が自分の命に代えて救った少年少女たちの物語だ。

付録のDVDは、お馴染みワックの「海上自衛隊潜水艦部隊」。
だいぶ古い作品で今から8年前の2011年にリリースされてる。
とは言え今でも3,000円ぐらいで売られてる作品なんで、1,400円程度で買えると思ったらお買い得だ。
DVDのテーマは潜水艦教育訓練隊への密着だ。
潜水艦の基礎を学ぶところで、正式名称は「海曹士専修科潜水艦課程」と言う。
潜水艦乗りになるには、体力学力のほか航空機パイロット並の適正検査を追加する必要がある。
潜水艦は一度出航したら長期間狭い船内で大人数と暮らすことになる。
そこには高い協調性が求められ、世界的にも潜水艦乗りはエリートとして扱われるそうだ。
海上自衛隊が運用している潜水艦は2種類。
1998年から運用を開始したおやしお型潜水艦と、2009年から運用を開始したそうりゅう型潜水艦。
そうりゅう型潜水艦は、ディーゼルエンジンの潜水艦としては世界最大になる。
大人の事情もあって、原子力潜水艦はアメリカ、イギリス、ロシア、中国、インドの核保有五大国しか持ってねえ。

DVDでは潜水艦の潜行シーンもあったが、潜水艦の潜行を「沈む」と言うのはNGだ。
潜水艦は「沈む」のではなく「潜る」。
これ、間違えると潜水艦乗りは「イラっ」と来るそうだから、言葉は気をつけて使おう。
理由は言わねえでもわかるよな。
潜行のシーンもあれば浮上のシーンもある。
潜水艦が緊急浮上する姿は、まさにトム・クランシーの映画の世界だ。

「海の底」を読んでて気になったことがある。
任務を終えた潜水艦乗りは相当ニオうそうだ。
このことは本作のマガジンでも語られていた。
ディーゼルのニオイや長期間風呂に入ってねえ男のニオイがカラダに染み着いていて、上陸後はタクシーに乗車拒否されるし、電車に乗ったら周りから人が消えるそうだ。
そんな環境の中で国防に就いてくれているサブマリナーのみなさんには、本当にアタマが下がる。
せめて国費でファブリーズを支給してあげて欲しい。 


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「海の中」は名ストーリーだ。