レトロゲームの展示会でカセットビジョンとバーチャルボーイを遊んできました。

ゲーム
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大阪府阪南市にあるJR西日本の山中渓駅。
JR阪和線の駅の中では大阪府内最南端の駅で、桜の名所としても知られています。
そんな山中渓駅の近くにある廃校になった小学校で、レトロゲーム機やレトロパソコンを集めた展示会をやっていると聞いて、早速行ってみることにしました。

会場は阪南市立朝日小学校の山中分校で、2016年に廃校になったようです。
山中渓駅からは熊野古道を歩いて数分のところにあります。
主催は特定非営利活動法人「日本レトロゲーム協会(通称:JARGA)」で、「日本の家庭用テレビゲーム機、ゲームソフトの歴史を文化遺産として後世に残していく」ことを目的として活動されているNPO法人です。
今は日本のゲーム文化を紹介できるレトロゲーム博物館の実現を目指しているそうで、今回のイベントはその資料展示会といった位置づけです。

分校の中に入ると、レトロなアーケード筐体が出迎えます。
また、2つの教室とそれを結ぶ廊下にも、多数のレトロゲーム機とレトロゲームパソコンが並んでいます。
最初の教室に入って一番最初に「おっ」と思ったのは、上段のショーケース内に展示されているレロトゲーム機よりも、下段に無造作に置かれたレトロパソコンの数々です。

NECの「PC-8001mkII」やSHARPの「MZ-700」といった8bitパソコンを始め、各社の「MSX」や「Apple IIc」も展示されていました。
フロッグデザイン社が手がけたApple最初の製品は、このApple IIcだったと思います。
美しい、もうその一言に尽きます。

ショーケースの中には歴代のレトロゲーム機が展示されています。
第3世代のゲーム機なら自分もわかるのですが、第2世代前のゲーム機になると、カセットビジョンぐらいしか知りません。
「光速船」はカズレーサーがネタで言っていたのを聞いたことはありますが、現物を見たのは初めてです。

IBMとセガが提携して、メガドライブが遊べるPC/ATパソコン「テラドライブ」を発売した時は超欲しかったのを覚えています。
インテルの80286とモトローラのMC68000の両方を積んでいて、かつ、内部で接続されて共用できるって仕様は、なんだかワクワクしたものです。
ただ価格を抑えるためか、AT/PCパソコンとして見た場合には性能は高いとは言えず、当時の自分はDOS/VかMacintoshか悩んで、結局「Macintosh LC」を選択しました。

Appleと言えば、バンダイがアップルと組んで発売した「ピピンアットマーク」も展示されていました。
全世界で4万2千台しか売れず、世界で最も売れなかったゲーム機と言われていますが、実はピピンアットマークのゲームソフトはMacintoshで動いたので、いくつかプレイした記憶があります。
もちろんアゴ割れシャアにも会ったぜ。
「プレイディア」と「PC-FX」に挟まれているあたりも、何だか感慨深いものがありました。

こうしたレトロゲーム機やレトロパソコンの展示は他のイベントでもやっているかも知れませんが、今回のイベントで驚いたのは、実際にプレイして遊ぶことができることです。
自分が初めてプレイしたテレビゲーム機はエポック社の「カセットビジョン」の「与作」なのですが、なんと何十年かぶりに実機でプレイすることができました。
北島三郎など何人かの歌手が歌った名曲「与作」をテーマにしたもので、ゲームをスタートすると、おなじみの「へいへいほー」のフレーズが流れます。
元々は1979年にアーケードで稼働したゲームのようですが、Wikipediaによると与作のメロディの使用にあたってはJASRACの許諾を得ているそうです。
ゲームは単純にきこりになって木を切るゲームですが、そんな与作に大自然の驚異が襲いかかります。
木を切ってるとイノシシがドタドタと突っ込んできますし、足元からは蛇が飛び出して股間を襲います。
もちろん彼らの攻撃を食らうと死んじゃいますし、空飛ぶ鳥のウンチを食らうとそのにおいに一定時間マヒします。
ウンチぐらい耐えろよ与作。
意外と単純なようで意外と難しい。
ちなみにこのゲームを作ったのは「新日本企画」と言う会社で、後にローマ字の頭文字を取って「SNK」に社名変更しました。

プレイ可能なレトロゲーム機の中には、バーチャルボーイもありました。
正直、実機でプレイできる日がやってくるとは思いもしませんでした。
のぞき込むと何だかチカチカする感じで赤色で描写されていました。
ただ、ゴーグル型ディスプレイはメガネ民には少し厳しい形をしています。
プレイするにはコンタクトレンズがマストバイ。
画面が赤単色なのは赤色LEDのみを使っているからで、当時はまだLEDで光の三原色を表現できなかったからだと思いますが、時代的に早すぎたのかも知れません。

自分が一番興味を持ったのは、FMサウンドユニットを接続したセガ・マークIIIの「ファンタシースター」と、ノーマルなセガ・マークIIIの「ファンタシースター」と聞き比べることができるコーナーでした。
セガ・マークIIIの元々のサウンド機能はPSG音源で3音+ノイズ1音なのですが、FMサウンドユニットを接続するとFM音源9chもしくはFM音源6ch+リズム音源5chまで拡張されます。
両者を聞く比べてみると、もう全然別のクオリティです。
セガ・マークIIIは第3世代のゲーム機で、競合マシンは任天堂のファミリーコンピューターですが、この頃からFM音源を積んできているあたりは、さすがにセガらしいなと思いました。

今回のイベントの入場料は無料ですが、レトロゲーム博物館の実現を目指して寄付を集めているそうですので、自分を含めて、みなさんそれぞれ自分だったら見学料にこれぐらいは払っていいかな?と思える額を寄付されていました。
第2回レトロゲーム博物館計画の資料展示会は8月31日までです。
開館時間は11時から18時まで。
会場にはポータブルクーラーが何台か設置されていますので、暑いこの季節でも大丈夫です。
貴重なレトロゲーム機やレトロパソコンを見ることができるだけでなく、実機でプレイすることができる数少ない機会でもあると思いますので、是非足を運んでみて欲しいと思います。

あとがき

場所的にほぼ和歌山県と言うこともあり、日帰りで行くにはちょっと厳しかったので関西空港あたりのホテルに1泊したのですが、それはまた別のお話で。

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